手遊び陶芸【手と筆だけで陶器を創る】

手仕事

今回の記事は『手遊び陶芸』についてご紹介します。その名の通り、粘土遊びをするような感覚で陶器を創るやり方です。必要な道具は『手』と『筆』。一番ハードルが高いのは陶器を焼く工程ですが、現在は家庭用の小さな窯も普通に売られていますし七輪などで焼くことも出来るのです。

陶器を自作できたら人生が変わる

僕が陶器に興味を持ったのは、家庭菜園で土いじりをしていた時。粘土質の土が出てきて眺めているうちに『陶器をつくってみたい』という欲求にかられ、実際にやってみたのが始まりです。

我が家では植物のための鉢や食器などを創っています。自作の陶器。日常の中で陶器を使う機会は意外と多いです。自作の陶器は何気ない日常をちょっぴり特別なものに変えてくれます。

特に僕は毎日コーヒーをたくさん飲むので、マグカップは常に使っています。手のみで形を創る手遊び陶芸は、創りての手にフィットする形に自然になります。一度このフィット感を味わうと他の市販のマグカップは使えなくなるでしょう。

道具も、知識もない

僕の陶芸ライフは道具も知識もゼロの状態から始まりました。僕の陶芸の師はYOUTUBE先生のみです。出来るだけお金をかけずに出来ないだろうかとたどり着いたのが『手びねり』という成形方法と、『七輪陶芸』という焼く方法です。

手びねりは基本的に『手』のみで陶器の形を創っていく、おそらく原始時代から行われていたであろうやり方。アフリカでは今でも手でぺちぺちして陶器を創っているところが多いようで、YOUTUBEでアフリカの方々が陶器を創る動画をたくさん見ました。

七輪陶芸は陶芸界では有名らしく、いろんな情報が出ていました。七輪とドライヤーで陶器を創れる。この方法を見たときは心が躍りました。

こんな感じで、七輪でも十分に陶器を焼くことが出来ます。

バーベキューをしながら陶器を焼いて、出来立てのぐい吞みでお酒を飲む。最高の贅沢です。

七輪で焼く以外にも、お手頃な家庭用の陶芸窯も売っています。安いので10万円くらいからありますので検討してみてください。僕はらくらく窯という電気窯を使っています。

必要な制作スペースはたたみ1畳

手遊び陶芸(僕が命名しました)は原始的でシンプルな方法で制作するため、狭いスペースで創ることが出来ます。

まず不要なのがろくろ。ろくろはよく見るクルクル回る円盤ですね。これを使わないことで大幅にスペースを節約できます。

小さな板があればそれで十分。猫を膝に抱えたまま制作が出来るくらい、コンパクトに作業ができるのです。



あと、不要なのが大きな容器。陶器には『釉薬(ゆうやく)』と呼ばれるガラスをつけるのですが、一般的な方法は大きな容器に液体の釉薬を入れて、その中に陶器をドボンを漬ける方法です。

この方法ですと大きな容器と多量の釉薬が必要。なので、僕は筆のみで釉薬を塗ることを決意し、試行錯誤を繰り返しました。

筆で塗る方法ですと、少量の釉薬で済むのでいろんな種類の釉薬を使うことが出来ます。塗り加減でまったく違う風合いになるので、そこが面白いです。

電気窯を購入する場合も、ちょっと大きめの電子レンジくらいの大きさです。リビングなどに置いて焼くことも出来ます。作業スペースを合わせてもトータルでたたみ1畳におさまる手軽さです。

どんな形も自由自在

ろくろは遠心力を使って粘土を伸ばしていくため出来上がる陶器の形にバラエティが少なくなりますが、手遊びは自由自在。頭に思い浮かんだどんなものでも基本的は作れます。

仕事にもなる

僕たち夫婦はこの手遊び陶芸でPOTOCO(ポトコ)という植物鉢を作って販売するまでになりました。興味本位で七輪で焼いてみた日がなつかしいです。

どんなモノづくりも同じかと思いますが、究めようと思っても終わりがありません。窯を空けて出来上がりを確認する瞬間は毎回ドキドキしますし、毎回新しい発見があります。とても面白い世界です。