ルッコラを食べたら、江戸時代の人々に思いを馳せることとなりました。
料理担当の、あんです。
思い立ったらすぐにできる、簡単で素朴な味わい深い料理を作っています。
肩の力を抜いて楽しみながら、家族皆が笑顔で過ごすことを一番の目標としています。
ルッコラの卵炒め
匂いだけ嗅いだらごまと間違う香り高い野菜、ルッコラ。
アブラナ科キバナスズシロ属の葉野菜(ハーブ)です。
地中海沿岸が原産で、古代ギリシャ・ローマにおいてすでに食用とされていた歴史のある野菜です。
β-カロテンをはじめ、ビタミンCやビタミンEが豊富なので、クレオパトラが美貌を保つために好んで食べていたようです。
種子からは油が絞れ、砕くことでハーブティーにもなるようなので、種ができたときには挑戦してみたいと思います。
庭に植えていたルッコラを使いました。
始めは葉の痛みが激しく、虫に喰われた跡や白っぽい斑点が見られました。
西洋野菜は気候が合わず弱いのかな、なんて考えている間に何とか息を吹き返し、食べごたえのある大きさまで成長しました!
慣れない土地でよく頑張ったね。
自然の恵みに感謝しながら、思う存分味わい尽くしたいと思います。
今回はシンプルに卵炒めにしました。
調理は簡単ですが、ルッコラの扱いには少し注意点があります。
POINT
・水溶性ビタミンが多く含まれるため、栄養素が流れないよう切る前に水洗いする
・成長しすぎたものは辛味や苦味が強いため、火を通す
これで美味しくて栄養満点のルッコラを楽しむことができます。
作り方
【材料2人分】
・ルッコラ…50g
・卵…2個
・醤油…小さじ1
・料理酒…小さじ1
・塩…ひとつまみ
・黒コショウ…ひとつまみ
・ごま油…大さじ1
1. 卵(2個)は溶いておきます。
2. ルッコラ(50g)をよく洗い切ります。フライパンにごま油(大さじ1)をひき、ルッコラを弱火で軽く炒めます。
3. しんなりしてきたら、端に寄せ、溶いた卵を入れます。
4. 卵のとろとろ具合が成功の鍵を握ります。
目を離さないよう注意しながら、かき混ぜます。
5. 卵の塊が出来始めたら、ルッコラと混ぜ、醤油(小さじ1)、料理酒(小さじ1)を入れます。
余熱でも卵が固まりますので、少し早いかなと思うところで火を止めてください。
6. 塩コショウ(ひとつまみ)で味を整え、完成です。
感覚を研ぎ澄ます
見た目はほうれん草の卵炒めに似ていますが、味は全く別物。
口に入れた瞬間は、ごまの風味がします。
後からピリッとした辛味と苦味が押し寄せてきます。
この辛味の正体は、アリルイソチオシアネート。わさびや大根に含まれる成分と同じです。
刺身や寿司を食べるときに、おろしわさびをつけますよね。
焼き魚に大根おろしを添えたり、生牡蠣を洗うときに大根おろしをまぶして洗うこともあります。
それは、この共通する成分に抗菌作用があるからです。
そして、驚くことに、わさびや大根にこの作用があることを、昔の人は感覚的に分かっていたようです。
元禄10年(1697年)の『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』という食材事典に、「大根は(中略)魚肉の毒・酒毒・豆腐の毒を解する」とすでに記載があります。
何でも手軽に調べられるようになり、情報が溢れてくる現代社会。
分かった気でいて、実は分かっていないことも増えたのではないかと思います。
少しスマホを置き、五感で調べ、実体験から知識を得ることを大切にしたくなりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。