今回は牛糞を使ったたい肥の作り方をご紹介します。
ある日、僕たちのもとに田舎に移住したばかりの友人から連絡がきました。
『近所の人から牛糞をもらったけどどう使えばいいか分からない』とのこと。
まだ臭いが強くこのまま畑に使うのはどうかと躊躇しているらしく、そんなときこそハンドレッドアカデミーの出番です。
という経緯で牛糞たい肥を作ってきましたので、そのやり方をシェアしたいと思います。
必要な素材3つ
牛糞や生ごみ、落ち葉などあらゆる有機物は発酵・分解させてたい肥として野菜を育てることが出来ます。
基本の方法は
【窒素(栄養)と水分が多い系】家畜の糞、生ごみなど
【窒素(栄養)と水分が少ない系】落ち葉、稲わら、枯草など
【発酵を誘引させる系】米ぬか、カビ、ぼかし合えなど
これらを混ぜ合わせると発酵たい肥をつくることが出来ます。
その原理については別記事でまとめたのでご参照ください。
その辺のものでつくる
僕たちは何をつくるにしてもまずは身近にあるものでやってみるようにしています。出来れば無料でつくることが出来たら最高ですね。
まずは牛糞。近所の人から無料でいただいたとのこと。余剰物をシェアし合う文化がある素晴らしい地域ですね。すでに稲わらを混ぜて発酵させたものでしたが今回はもう少し完熟させます。
続いては乾燥した枯草、落ち葉。これは田舎でも都会でもどこにでも存在しますのでいくらでも手に入れることが出来ます。稲わらが手に入らなかったそうなので、今回は【窒素と水分が少ない系】にこの落ち葉を使用します。
そして米ぬか。これは精米所からもらってきたとのこと。発酵起爆剤として使用します。
最後に、元々庭に設置してある大きなコンポスター。たまに生ごみを入れているとのこと。今回はこれにも活躍してもらいます。
つくってみよう
まずは手に入れた素材を混ぜ合わせていきます。こちらは牛糞。
続いて落ち葉を混ぜていきます。【牛糞:窒素と水分が多い系】に対して【落ち葉:窒素と水分が少ない系】を2~3倍入れます。もっと入れてもいいと思います。
そして米ぬか。米ぬかは発酵初期に活躍する糸状菌(カビ)の大好物。米ぬかなどの糖質を入れると発酵が始まりやすい状態になりますので『発酵起爆剤』と呼んでます。
素材を入れたらよく混ぜ合わせます。
混ざったら、水分。水分が一番重要です。入れ過ぎは禁物なので、慎重に入れましょう。水分が足りない場合は後から追加できます。入れ過ぎたら面倒です。
水分量は素材を握って団子の形が維持させるくらいがベスト。握ったときに水がしたたるほどは水分入れ過ぎ。逆に握ったときに団子にならずほろほろ崩れるようであれば水分が足りない状況です。
最後に土を混ぜます。これは元々コンポスターの中にあった、たまに生ごみを入れていた土です。
土には細かい隙間(団粒構造)があり、この隙間にたくさんの水分を保持することが出来ますので、水分量の調整が出来ます。水分を入れ過ぎた場合は乾燥した土を多めに入れます。また、土の中には元々住んでいる土着菌がいますので、素材に混ぜることで菌のバラエティを増やすことが出来ます。
素材を混ぜて、水分量もOK。あとはコンポスターの中に入れて雨を防げる状態にします。コンポストが失敗する要因のほとんどは水分かと思います。雨が侵入して素材がびちょびちょになるとうまく発酵せず腐敗の方向に進んでしまいます。
このコンポスターは蓋で密閉も出来るため安全です。
あとは定期的に切り返す
発酵が始まると温度が上がります。温度上昇のピークが過ぎて落ち着いた時点から切り返しを開始します。切り返しとは素材を混ぜることですね。
発酵には好気性という空気に触れながら生じるものと、嫌気性という空気がない状態で生じるものがあります。
放っておくと空気に触れる表面のみ好気性、空気に触れない中心部は嫌気性になります。ぬか漬けを混ぜるのと同じように、たまに素材を混ぜて全体に空気に触れさせることでバランスよく発酵してくれます。
このへんの仕組みについてもう少し知りたい方はこちら↓をご覧ください。
今回はこんな感じで牛糞たい肥をつくりました。半年後が楽しみですね!